東大生笹沼さんインタビュー〜子どもがイヤイヤ勉強している時の対処法〜
遅くなってしまいましたが、現役東大生の笹沼颯太さんのインタビューの続きです。
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笹沼颯太さん
筑駒から東大に現役合格。現在は東大に通いながら『ヨンデミーオンライン』の代表取締役も務めていらっしゃいます。
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前回のインタビュー記事はこちらからご覧頂けます。
勉強のご褒美はいい?悪い?
ママ塾(以下、マ):心理学の研究で、目的達成のためにご褒美をあげることはよくないと聞いたことがあります。ですが以前息子に「このページの問題を正解した数だけ雛あられをあげるよ」と伝えたところ雛あられ欲しさに物凄い集中力で解いたことがあったんです。その様子を見ていて、ご褒美をあげることが一概に悪いことではないのかなと思ったのですが、笹沼さんはご褒美についてどのように思われていますか?
笹沼さん(以下、笹):ご褒美のやり方次第だと思います。例えば「このドリルが終わったらご褒美」だと適当に書いて終わらせようとするからダメですが、「◯問正解してたらいいよ」とか「一緒に丸つけして復習したらご褒美」というご褒美は良い方向に働くと思います。また、もしそこで失敗しても失敗を取り返すフォローをすることが大切だと思います。失敗することを学び、失敗しても立ち直れる、次頑張ろうと思えるようにしてあげると良いと思います。
英語の絵本の選び方
マ:息子の話で恐縮なのですが、英語の絵本を読み聞かせても途中で飽きて「日本語の絵本がいい」と言われてしまいます。どうしたら興味をもってくれるようになりますか?
笹:その絵本の英語のレベルが息子さんにとって難しすぎるのではないかと思います。子どもの『つまらない』は、『わからないことが多い』という意味なんです。なので、息子さんがわかるところまでレベルを落としてあげてはいかがでしょうか。わかる英語だったら楽しめるかもしれません。
マ:確かに・・・読み聞かせていたのはかなり長い文章の絵本でした・・。
笹:私は中学生まで一切英語の勉強をしてこなかったのですが、あまりにも英語ができなすぎて同級生に心配される程でした(笑)。なので英語の本を読むようにしたのですが、初めは小さい子どもが読むような簡単な英単語のみが載っている本から読み始めたんです。
マ:え!?それは意外ですね!
笹:本当に英語ができなかったんです(笑)。息子さんも一つの単語から始まる絵本から読み始めると良いかもしれません。わかる力が足りていないのに絵本を渡してもダメなんです。語彙が難しかったり、一文が難しいのかもしれません。
マ:息子はまだ英語のセンテンスを話せないので、長い英文の絵本は意味がわからないから読みたくないんですねきっと。息子が知っている英単語が載っている絵本から始めてみようと思います。
子供がイヤイヤ勉強している時の対処法
マ:子どもの集中力が続かず、すぐに勉強に飽きてしまう時はどう対処したら良いでしょうか?
笹:その教材がお子さんにとって難しすぎるのかもしれません。お子さんが「こんなのへっちゃらだよ」と言えるくらいハードルを下げると良いと思います。複数の教材に取り組む場合は、より簡単な方の教材から始めると取り掛かりやすいと思います。お子さんの気持ちが楽になるようにすると良いですね。
マ:今取り組んでいる教材を辞めてみることも大切なんですね。一旦辞めて、時間を置いてまたその教材を再開するというのは有りですか?
笹:全然有りだと思います。一回置いて、数ヶ月後また取り組んでみたらできるようになっていることもありますよ。
勉強ができる子・できない子の差
マ:笹沼さんが思う、勉強ができる子とそうでない子の違いは何ですか?
笹:勉強を楽しんでいるかどうかだと思います。イヤイヤやっていると身につきません。例えば受験は何故するのか。無理やりやらされても嫌な経験となってしまって、二度と勉強したくないと思ってしまいます。勉強に対する気持ちが前向きかどうか、お子さんが幸せかどうかが大切です。
ヨンデミーの読書力とは?
マ:ここからは笹沼さんの会社『ヨンデミーオンライン』についてお聞かせください。
ヨンデミーさんが謳っている読書力の向上とは、いわゆる読解力を上げるという事ですか?
笹:ママ塾さんの仰る読解力というのは国語のテストの事を指していると思いますが、私たちは読解力と読書力を分けて考えています。
文章読解には、一つは文章を読んで理解する力、もう一つは選択肢に合わせて答える力が必要です。この二つを合わせて読解力と呼んでいます。
一つ目の、文章を読んで理解する力を読書力と呼んでいて、ヨンデミーではこの読書力を向上させていきます。
二つ目の『選択肢に合わせて答える力』を養うにはテクニックが必要です。例えば文中に線が引いてあってその線に対する設問があるというのはよくありますよね。これは線の近くに答えが書いてあるのですが、そういう事は問題をいっぱい解いたり塾で習ったりします。塾で教わるのはそういったテクニックだけなんです。塾でテクニックは身につくのですが、それを使いこなすだけの読む力が足りていないお子さんが多いんです。
読む力はすぐに身につくものではなく、これまでに本を読んできた蓄積が読む力となります。
読み聞かせのコツ・ポイント
マ:我が家では毎晩読み聞かせの時間を取っているのですが、読み聞かせする上でのコツやポイントがあれば教えてください。
笹:一番お子さんが楽しめる方法がいいと思います。抑揚をつけるのが好きなお子さんだったらそう読んであげるとか。読み聞かせは親子のコミュニケーションなので親御さんも楽しめるやり方がいいと思います。
読み聞かせは語彙や文字・概念を学ぶ機会です。基本スタンスは楽しいことが大切です。本が楽しいから、好きだから一人で読めるようになる→本が楽しいからもっと難しい本も読めるようになることに繋がります。
読み聞かせから一人読みへ移行するには、自分の目で文字を追えることに慣れることが大切です。
文字を追う力を養うために、読み聞かせの後にお子さんに読み聞かせのお返しをしてもらうのもいいと思います。
下のお子さんがいらっしゃる場合は、上のお子さんが妹や弟さんに読み聞かせをしてあげることでもいいんです。
読書感想文は親子の会話を楽しむ
マ:ヨンデミーでは読んだ本の感想文をオンライン上で送りますが、子どもが感想文を書くことを嫌がった時はどうすればいいですか?
笹:感想文を書くんだ!と畏まってするのではなく、その絵本について親御さんとお子さん二人でお話しする感じで良いんです。この絵が好きとか、このキャラクターが好きとかリラックスして会話を楽しんでください。
お子さんが成長するにつれ、本を読むことが一人ですることに変わってしまうことが増えます。でも中学生になっても、「この本どうだったの?おもしろかったらお母さんにも教えて。」というようにみんなで読書を楽しむのだっていいと思います。家族みんなで本を共有したり感想を言い合ったり。当たり前のように本が生活の中にある環境があると良いと思います。
マ:素敵な環境ですね。毎日読み聞かせをしているので我が家は本は身近な存在だと思っていましたが、思い返せば読み聞かせ以外の時間で子どもと本の感想を言い合うことはしたことがなかったです・・・。まだまだ本が生活の一部とは言えないなと反省しました。
もっと本が身近な存在となるよう、子どもとたくさん会話をしていきたいと思います。
本日は本のことから勉強のことまでたくさんお聞かせ頂きありがとうございました。
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